こんな経験はないでしょうか?
- ロジックは通っている
- データもそろっている
- それでも「結局、何が言いたいの?」と言われる
これは珍しい話ではありません。
実務では、よくある光景です。
問題は、
ロジックそのものにないことが多いです。
多くの場合、
出発点がずれていることが原因です。
読み手の頭の中と、
文書の構成がかみ合っていません。
その結果、
「正しいこと」を書いているのに、
「今ほしい答え」になっていないのです。
このような問題を解決するために
読み手のOPQ分析があります。
OPQとは、
Objective・Problem・Questionのことです。
この3点を先に整理すると、
何を書くか、どう構成するかが自然に決まります。
本記事では、山崎氏著書の『考える技術・書く技術』の中で紹介される
読み手の思考をObjective/Problem/Questionで整理する
「OPQ分析」を解説します。
何を書くべきか。
どう構成すべきか。
それを決めるための、
実務で使える手順を解説します。
読むことで、
- 「何から考えればいいか」で迷わなくなり
- 資料の構成を組むスピードが上がり
- 結局何が言いたいの?」と言われる確率が下がります
意思決定に使われる文書を、再現性をもって作れる視点が手に入れて頂ければ幸いです
ビジネス文書は「状況把握」から始まる
読み手は“白紙の頭”で文書を読んでいない
読み手は、
いつも何かを抱えています。
期限があるかもしれません。
意思決定の責任があるかもしれません。
現場の制約もあります。
文書は、
単なる情報提供ではありません。
読み手の状況を、
一歩前に進めるための道具です。
だからこそ、
相手の置かれた状況を無視した資料は、
どれだけ正しくても刺さりにくくなります。
「正しいこと」より「今その人に必要なこと」
正論でも、
通らない資料はたくさんあります。
読み手の関心外のロジックは、
存在しないのと同じです。
大切なのは、
「今、その人が何を知りたいか」です。
そこに答えない限り、
文書は読まれても、使われません。
OPQ:読み手の思考を構造で捉える
OPQは、
読み手の思考を整理するための枠組みです。
この3つを順に考えます。
Objective(目的):この人は何を達成したいのか?
たとえば、
この会議で結論を出したい。
リスクを整理したい。
上に説明できる材料がほしい。
目的は、
立場や役割で変わります。
同じテーマでも、
部長と担当者では目的が違います。
まずは、
その人の「ゴール」を言葉にします。
Problem(問題):何がそれを邪魔しているのか?
目的があっても、
そこに至れない理由があります。
情報が整理されていない。
選択肢の比較ができていない。
論点がかみ合っていない。
この「詰まり」を、
できるだけ具体化します。
Question(問い):だから何を知りたいのか?
問題があるから、
読み手には「知りたいこと」が生まれます。
結局、どの案が良いのか。
一番のリスクはどこか。
今、決めるべき論点は何か。
良いビジネス文書とは、
このQuestionに、
一発で答える構造の文書です。
以下が読み手/オーディエンスのOPQ分析の全体イメージです。

課題解決でよく見られる
As isとTo beのGapを考える構造は
同じになります。
OPQ不在の失敗例
よくあるズレ方が、いくつかあります。
一つ目は、
書き手の関心が主語の資料です。
説明したいことが先に立ちます。
たとえば、
「市場分析には力が入っているのに、意思決定に必要な比較がない」
そんな資料です。
二つ目は、
網羅的ですが、判断に使えない資料です。
情報は多いのに、結論に近づけません。
「情報は全部あるけど、結局どれを選べばいいのか分からない」
こういうケースです。
三つ目は、
結論はあるのに、
読み手の疑問に答えていない資料です。
どれも、
ロジック以前の問題です。
「問いに答えていない」ことが、
一番の原因になっています。
OPQ設計の手順
Step1:読み手を一人に固定する
まず、
この資料の一番の読み手を決めます。
上司か。
役員か。
クライアントか。
「みんな向け」は、
結局、誰にも刺さりません。
Step2:その人のObjectiveを言語化する
次に、
その人はこの場で、
何を達成したいのかを考えます。
ゴールが見えないまま、
資料は設計できません。
Step3:ProblemとQuestionに落とす
目的を邪魔しているものは何か。
そしてObjectiveとProblemを埋めるために
何を知りたいのか。
この2点を、
一文で言える形にします。
Step4:そのQuestionに答える構成かを確認する
最後に、
目次と結論を見直します。
その構成は、
本当にそのQuestionに答えているか。
ここでズレていれば、
書き直したほうが早いことも多いです。
OPQの実務例
たとえば、
同じテーマでも、読み手が変わればOPQは変わります。
- 上司向けの企画書
- 経営会議の資料
- クライアントへの提案書
目的も、問題も、問いも違います。
OPQが変われば、
構成も、強調点も、結論の出し方も変わります。
「同じ中身で使い回す」と、
どこかで必ず無理が出ます。
OPQが9割
いきなり、
スライドや文章を書き始めないことが大切です。
先にやるのは、
読み手のOPQを紙に書き出すことです。
そうすると、
・何を書くか。
・何を書かないか。
・どの順で出すか。
これらが、
かなり自然に決まってきます。
結果として、
迷う時間が減り、
修正も少なくなります。
まとめ:OPQ分析が起点
文章力と、
ロジカル文書力は、少し違います。
ロジカル文書力とは、
読み手のOPQを正確に定義する力です。
「誰の、どんな問いに答える文書なのか。」
ここを決めることが、
すべての出発点になります。
書き始める前に、
ぜひ一度、OPQを書き出してみてください。
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