昨今の製薬業界の状況から、今後のキャリアアップやリスクヘッジを考え海外MBAの取得を検討している方が増えています。一方そのような方々が常に不安に思うのが、仕事をやめて借金までして高額な学費を返済できるのかということです。
この記事では、海外MBA留学をキャリア投資として考えたときのリスクやリターンについて解説します。さらに、ヘルスケア業界出身者に特有のメリットも取り上げ、リスクを最小化しながらリターンを得やすい背景についても触れます。
キャリア投資としての海外MBA留学はリスクヘッジ可能か?
ヘルスケア業界の勤務経験がある方は、比較的リスクヘッジが可能であり、リターンを得やすいです。
ヘルスケア業界はMBA取得者に対する需要が高く、特に外資系製薬企業ではマネージャーポジションのオファーを得やすい傾向にあります。この業界では医学という難解な専門知識を素早く吸収できる地頭の良さ、グローバルと連携して仕事を行える英語力、そして戦略的及び分析的スキルなどの経営スキルが求められ、MBAホルダーとの相性が良いのが特徴です。
例えば、単身でヨーロッパの1年制MBAに留学した場合、学費は約1,000万円ほどかかりますが、奨学金が取得できれば半額程度に抑えることが可能です。一方で、MBA修了後には外資系企業からのサインオンボーナスとして250 ~ 500万円、初年度の年収は約1,200~1,400万円(手取りで月60~65万円前後)という条件でオファーを受けるケースが多くあります。
結果として、借金は約2年半〜4年で返済可能であり、その間も生活水準を一定以上に保つことができます。
Dの意志の返済ケース
Dの意志の場合は以下のような感じで返済できました。
まず、海外MBA合格時に学費の半額免除をもらえたため、学費と生活費合わせて1,000万ほどの借金になりました。そして、入社と同時にもらったサインオンボーナスのうち、300万円を一括返済、その後毎月20万円をコツコツと2年半かけて完済することができました。
借金返済中の生活はどのようになる?
一方借金返済中どのような生活になるかも気になると思います。返済中もある程度のQOL(生活の質)を維持可能です。
MBA修了後の年収が高水準であるため、返済と生活費を両立する余裕が生まれます。加えて、計画的に支出を管理することで、交友費や娯楽費にも一定の予算を割くことができます。
以下は、返済中の生活費の内訳です。
- 住居:1DK or 1LDKのマンション(月約10~15万円)
- 日々の出費:20万円前後
- 交際費:月5万円前後
- 物品費:月5万円前後
- 合計:40 ~ 45万円/月
これらの支出をカバーしつつ、毎月20万円を返済に充てた場合、約2年半で300万円を一括返済することが可能です。仮に奨学金がなかったとしても、4年程度で全額返済が見込めます。
なぜヘルスケア業界出身者のチャンスが多いのか?
上述した通りヘルスケア業界出身者は海外MBA留学のリターンを得やすいポジションにあります。
その理由としてはヘルスケア業界でMBA取得者を求める需要に対して供給が少ないためです。
一般的にMBA生のバックグランドとして基本は金融やコンサルが多く、ヘルスケア出身の方は全体の10%程度です。また多くのMBA生がPost MBAとして考える先もコンサル、金融、テクノロジー(GAFAM)が主流であり、就職先としても競争率がこれらの3つの業界に比べると高くないです。
よって、ヘルスケア業界出身の人は手堅く外資系製薬のオファーを狙え、アップサイドで就職人気の高いコンサル、金融、テクノロジー(GAFAM)に挑戦することも可能です。
外資系製薬に就職しても十分学費などの借金は返済可能ですし、アップサイドを狙った就職先ならばより早く借金を返済するケースもあります。
なぜこの記事を書いたのか?
多くの人が「MBA留学の費用は返済できるのか?」という不安を抱えています。しかし、実際にMBAの費用をどう返済し、MBA後の生活を提供している情報が少ないため、本記事ではDの意志の実体験を公開し、安心感を提供することを目指しました。
自分も留学前は1,000万以上の借金を抱えることに相当の不安を感じ、不安に苛まれながら勉強をしてましたし、留学直前もMBAの先輩に相談したほどです。
自分と同じ状況である方々に少しでも挑戦を後押ししたい気持ちから今回の記事を執筆致しました。
結論
海外MBA留学は、計画的にリスクをコントロールすれば十分にリターンを得られる投資です。特にヘルスケア業界のバックグラウンドを持つ方にとっては、外資系製薬会社でのキャリアチャンスや高収入を狙える魅力的な選択肢となります。
MBA留学を検討している方にとって、この記事が一歩を踏み出すための参考になれば幸いです。